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失語症について

更新日:2024年12月4日

今回は失語症についてのお話です。

失語症とはどういった症状かご存じですか?「失語」と書くので、言葉が分からなくなるのかな?と大体想像がつくかもしれません。その通りで失語症とは言葉の障害になります。具体的には脳の言葉を司っている部分が損傷し「話す」「書く」「聴く」「読む」といった言葉の働きに何らかの不具合が生じた症状を指します。



一般的には図の中にあるブローカ野、ウェルニッケ野が脳卒中で損傷し失語症を発症します。言語に重要な脳の部位は主に左脳にあります。


失語症の原因

失語症の原因は脳梗塞や脳出血などの脳血管疾患、交通事故や転倒などが原因の脳外傷、インフルエンザウイルスやヘルペスウイルスなどの感染が原因の脳炎、窒息や心疾患などの心停止が原因の低酸素脳症があります。


失語症の症状

失語症の症状には下記のようなものがあります。

それぞれに分けて説明させていただきます。


①「話す」

言いたい言葉が出にくくなる。

「あの、あの…」「あれ、あれ…」

言い誤る。

「リンゴ」を「インゴ」と言い誤ったり、「スイカ」を「キュウリ」と言い誤る。

抑揚やリズム感が失われる。


②「書く」

文字が思い浮かばない。

文字の形がうまく書けない。

「犬」と書きたいのに「猫」と書いてしまう。


③「聞く」

何を言われているのかが分からない。

聞き間違いをしてしまうことがある。

言われたことを全部覚えておけない。


④「読む」

何と書いてあるのか分からない。

「いぬ」を「いむ」、「犬」を「牛」と読み誤ったりする。


失語症者はこれらの症状とは別に高次脳機能障害を併発している場合が多くあります。高次脳機能障害になると注意力が散漫になったり、記憶力が低下したり、物事を順序立てて考える事が困難になったりします。言語の症状に加えてこれらの症状が混ざって出現するため、日常生活に支障をきたしてしまいます。


失語症の方とのコミュニケーション

言語でのコミュニケーションは制限されていても、非言語的なコミュニケーション能力は保たれている場合が多くあります。そのため周囲の状況や相手の表情から状況を推測・理解できる場面は多くあります。

一見コミュニケーションが取りにくくどう対応すれば良いのか分からないかと思いますが、失語症の方の非言語的なコミュニケーション能力は、病前と変わらず保たれている場合が多いことを理解することで、表情やジェスチャーを活用した交流が可能です。


今回は簡単に失語症の説明をさせていただきました。次回は失語症の方とどのようにコミュニケーションをとれば良いのか詳しくお話させていただこうと思います。








 
 
 

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