高次脳機能障害~社会的行動障害~
- sankatsu0901
- 2024年9月16日
- 読了時間: 3分
更新日:2024年12月4日
今回は社会的行動障害についてのお話です。
社会的行動障害とは、行動や言動、感情をその場の状況に合わせてコントロール出来なくなる高次脳機能障害の一つです。
かなり対処に苦慮される事例もあるかと思います。
しかしこれにも原因があるので、まずはそれがなぜ起こるのかを考える必要があります。
社会的行動障害
①依存的になる
②感情のコントロールがうまくいかない
③欲求が抑えられない
④状況に適した行動がとれない
社会的行動障害の原因
①前頭葉の損傷によって生じる
②他の認知機能障害によって生じる
③社会・心理的要因が複雑に絡んでいる場合も

前頭葉の損傷によって生じている
前頭葉は意欲や情動などを司っている部分となります。その為感情的になりやすかったり、逆に無気力になってしまったりという症状がみられます。
しかし前頭葉だけの問題であれば比較的認知機能が保たれている事があります。
そのような場合は自身に起こった事が理解できるため、なぜ怒ってしまったのか、泣いてしまったのかを振り返る事ができます。そうすればどのような場面でそういった事が起こりやすいか理解できるため、その場面を回避する行動に結びつけることができます。ですので、なぜそうなったのかという情報をしっかり収集し、アドバイスを行うという対応をとります。また無気力になってしまっているような方に対しては趣味であったり、刺激が多いような環境に連れ出したりするなど外部からの働きかけを行う事で反応が変化する方もいらっしゃいます。
認知機能障害によって生じる
すぐに怒ったり、大声で怒鳴ったりするにも何かしらの理由があります。
それは例えば記憶障害で本人が忘れていた事を指摘されても、自分は正しいと思っているから怒ったり、馬鹿にされていると感じて怒ったりなど、自分自身の状態が認識できていない事が影響していると考えられます。ですので、そういった際は医療機関などで適切に評価を行いその結果に基づき環境設定やリハビリテーションでの対応方法を考えていく必要があります。

医療機関での相談 個別のプログラムで対応

集団リハビリテーション・認知行動療法
気付きを得ることで行動に変化を促す
社会・心理的要因によって生じる
医療機関などで適切な支援が受けられず、苦しんで先の見通しが立たないことへの不安や混乱を、行動で周囲に示していることがあります。金銭的な保障がなされると、本人のイライラが軽減することも多いので、労災や障害年金などの制度を積極的に活用し、本人の希望や不安をよく把握して、一緒に障害福祉サービスを探したり、受給手続きを支援したりすることにより、気持ちの安定を図ることも大切です。長期的な状況の改善や生活の維持が図れるよう対応を組み立てていけるとよいのではないでしょうか。また、幻覚や妄想などの精神症状や、うつ状態、気分障害については、薬物療法が有効な場合があるため、精神科も含め皆で協力していくことが大切と思われます。
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